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抜ける
2017年12月16日

漢字検定協会から今年の漢字1文字が発表された。
ジャーナリストの津田大介さんが、今年を象徴する漢字と問われ、
「抜」と答えていた。
同じくジャーナリストの青木理さんが最近よくおっしゃる言葉だそうだ。

意味としては、「今までは社会として言うまでもない通底していたものの
底が抜けてきた」ということらしい。
具体的な例を挙げれば、政治家の信じられないような差別発言やお金問題。
森友、加計学園の官僚、政府の隠蔽や国会でのウソの答弁。
企業のデータ改ざんなどの不正・・・

「それは駄目でしょう」という常識的な社会の倫理観の崩壊と言ってもいいかもしれない。
最近では、在来線の架線や電気トラブルで長時間に渡り電車が不通になったり、
新幹線のトラブルまで発生している。
人間の発言だけではなく、インフラでも実害の発生がすでに始まっている。

代表的な現実はこうだ。
「もう無理です」これは官僚が政治家に言いたいことだ。
選挙で勝つために様々なキャンペーンを張り、有権者にいい顔をしたい政治家達。
同じようなことが、企業内でも起きている。
株主にいい顔をしたい経営陣。「もうこれ以上は無理です」と嘆く現場。

「皆さん、今よりももっと豊かな生活がしたいですよね」という資本主義経済に基づく
政府、企業のキャンペーンによって推進されてきた国家設計。
少々乱暴なだが、消費社会での成長は人口×購買額が基本であるから、
人口が縮小するなかで経済や国家の成長を謳うことそのものに無理がある。

問題は人間が生きるという本質的はテーマに対して何も考えてこなかった点だ。
考えるのは、一部のインテリに任せておいて「俺たちは働けばいいんだ」という
ロジックで確かに暮らしの豊かさを多くの日本人は享受してきた。
しかし、一方で音を立てて崩れていた生きるための哲学、倫理、地域、
そして心のあり方などには耳を傾けてこなかった。

結果が「抜けた」ということなんだろう。
AI(人工知能)によって人間は働かなくてよくなるということを聞くようになった。
では、「何が生きることなのか」「どのように生きるのか」重大な問いとなってきた。
人間によって痛めつけられてきた地球そのものも、「もう無理だ」と言い始めている。
私たちは宇宙、自然の一部の構成員である。
その中での在り方を問われているといってもいいのだろう。

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