ロックは功利主義の元祖と言わている。
功利主義とは何か。

「快楽と苦痛が人間を支配するというのは功利主義である」
～福田歓一～『政治学史』

ロックの人間は功利主義者であるから、
ひたすら快楽を求め、何のやましさも感じない。
このように、すべての人間が、そのような行動に耽っていて、
秩序が乱れることはないのか。
果たして秩序を作り上げることができるのか。

英国古典派のマンダヴィルは、作り上げた自由経済モデルにおいて、

「個人の悪徳は公共の美徳である」といっている。

この時代は、資本主義の夜明けであった。
多くの人々が資本主義活動をし、漸次自由経済に近づきつつあった。

その結果は？

市場機構がうまく働いて、社会全体で人々の生活がよくなってしまった。
公共がよくなってしまった。

すべての人々が、消費者は効用を最大にしようとし、
企業は利潤を最大にしようとし、いずれも、自分の利益だけを追求するだけ、
社会全体のこと、他の人々のことなど、少しも気にとめない。
それでいて、自由市場はうまく作動し、結果として、全ての人々が、
より豊かになってしまう。

すべての個人は、ただ私利・私欲だけを追求する。
しかし、それが自由競争市場のメカニズムを通ると、
その神の見えざる御手に導かれて、最大多数の最大幸福を達成してしまう。

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