最近、金銭目的での酷い犯罪もなるが、
一方で動機がよくわからない犯罪も多い。

ただ、道を歩いているだけの人を傷つけたり、
殺害に至るような犯罪、重度な障碍者を襲うような犯罪だ。

夏、生家の近くに住む姉の息子、甥っ子に4年ぶりの
再会を果たした。
甥は高校2年生のある日から不登校になった。
それから、4年間それまで関係が良かった
わたしにも会うことができなかった。

元々、やさしく気が弱いところがあったが、
素直で正直な子だった。

現代の日本では、社会的な役割をあまりも早く与え
過ぎる結果ではないかと思う。
姉もまた地方公務員として育児休暇が終わる1年後には
彼を保育園に預け働いた。

あまりに早く母親と引き離され保育園に通う。
ただ、自分を愛し慈しんでもらえる時間が子どもにはない。

今や生後3か月後から保育園に預けて母親が働く。
母親にとって最も重要な仕事は育児、子育てに決まっている。
言うまでもなく、この役割は代替がきかない。

母親と一緒に過ごすべき時間を過ごさないことで、
子どもが本来成長過程で身に着けるべき様々なものが
失われる。

必要以上の説明は避けるが、最も重要な問題は、
自分（自己）が育つ機会を失うということだ。

あまりも早い社会デビューがもたらすものは、
社会の一員というポジションだ。
そういう中で育った彼らが、学校や会社など、
いわゆる社会の一員からこぼれ落ちたとき、
どう対処すれがいいのだろうか。

我々は、本当に大事なものを貨幣価値に変えることが
できない。愛、友情、信頼など・・・・・
そして、他者との重要な関係性を他人が代行することも
できない。

人間とは何なのか。
あらゆる問いの前に向けられるべき質問だ。
それは社会や大人の都合によって導かれるものではない。
人間の掟は、何億も続けてきたものではないだろうか。

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