先週も「構え」というテーマについて書いたが、
前提の説明が不足していたようだ。
三品和弘(神戸大学大学院研究科教授)に
戦略を考えるうえで三つの要素が重要だという。
戦略に関する本は、世の中に数多存在するが、
三品さんの視点は現実レベルで非常に参考になる。
その三つとは、以下の観点だ。
1.立地 (ポジショニング)
2.構え (企業や事業の構え)
3.均整 (パッケージング)
「構え」とは、この2点目の観点で、
立地を選びに次ぐ準固定的な要素だ。
ちなみに、経営史の巨匠
アルフレッド・チャンドラーは、
「組織は戦略に従う」という命題を
打ち立てたとき、戦略は三択問題と
想定した。
21世紀初頭のコンテクストを踏まえて、
1.経営資源をグローバルに振り向ける
2.新規事業の創造による多角化に振り向ける
3.既存事業をベースにした垂直統合に振り向ける
垂直統合に成功した主な企業は、
花王、キャノンである。
花王は油脂加工に従事していた「構え」を大きく変えた。
一方では問屋に依存していた物流と販売を自社の内部に
取り込んで、他方では川上の研究部門に力を入れた。
キャノンは、1987年に、それまでのFDレンズ群を捨てて、
レンズの電子化を敢行した。そして、それより前に半導体を
内製化すると決断し、静止画に適したCMOSセンサーも
自社開発している。
統合をすることが、いつも正解とは限らない。
ポイントは、
業界の常識を覆すことであり、常識より統合の度合いを
上げる、下げることにより、独自の利点が生まれるならば、
それを活かす戦略を組み立ててみることだ。
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