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市場と道徳
2016年07月13日

刑務所の独房の格上げ : 一晩82ドル
カリフォルニア州サンタアナをはじめとする一部の州では、
非暴力犯が特別料金を払うと、払わない囚人とは別の、
清潔で静かな独房に入ることができる

インドの代理母による妊娠代行サービス :6250ドル
代理母を探している欧米諸国のカップルは、
その仕事をインドに外部委託することが増えている。
インドではそうした業務は合法であり、
料金はアメリカの相場の三分の一にも満たない。

製薬会社の安全性臨床試験で人間モルモットになる  :  7500ドル
薬効のテスト法の侵襲性とそれに伴う苦痛に応じて、
報酬には多寡がある

『それをお金で買いますか』
~マイケル・サンデル~

わたしたちは、経済的、物質的な価値観のみに
あまりにも偏向し過ぎてきたようだ。

リーマンショックは、その極である。
しかし、一旦行き過ぎた価値を修正するのは簡単ではない。

日本人もバブル再びと願う人が多いと聞くし、
世界はリーマンショック前に戻そうと願う動きがやはりある。

戦争したいと願う人も存在するようだから、
多少、不正や汚職が地上げや裏取引があったって景気が
よい方が良いに決まっていると考えても不思議はない。

しかし、一方ではきちんと労働をし、他者へ貢献し、家族を養い、
多くの人が親しく安心してくらせる社会を目指す人もいる。

お金や物の所有だけでは、人は幸せになれない。
冒頭のマイケル・サンデルさんが示すように、
お金を出せば買えるものも確かにたくさんあるが、
結局はこの世に地獄を作り出すのが人の内面に潜む闇であるかぎり、
自分の外側に価値を積み上げても幸福にはなれない。

ビジネスをとして何をなすのか。
事業を通して、どんな価値を社会へ投げかけるのか。
企業家にも問われている。

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