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蜷川幸雄さん逝く
2016年05月12日

演出家の蜷川幸雄さんが亡くなられた。
20代後半のある時期から強烈に影響を受けた。

蜷川さんの演出の芝居もいくつか観た。
この人の独特のナイフのような感性に魅了された。
この繊細な感性が何処から来ているのかの
手懸りになるのが、著書
『千のナイフ、千の目(まなざし)』だ。

以下、内容を一部紹介したい。

「話ってなに?」
と僕は聞いた。

その瞬間、僕は脇腹になにかをあてられた。
彼は前かがみになって僕の顔を見ていた。
その不自然な姿勢から、
ぼくはテーブルの下にのびている腕を想像する
しかなかった。
彼は青ざめた顔をしてこういった。

「蜷川さん、あなたはいま、希望を語れますか。答えてください」
ぼくは黙っていた。
「蜷川さん、あなたは希望を語ることができますか?」
青年は再びいった。
「俺は語るべき希望なんてひとつもないし、
俺は希望なんて語らないよ」
とぼくはいった。
「そうですか」
そういうと、青年は身を起こした。ぼくの脇腹は急に軽くなった。
青年はテーブルの下にかくしていた手を出した。
その手にはジャックナイフが握られていた。

客席に千人の青年いるとしたら、彼らは千のナイフをもっているのだ。
俺は千のナイフを持つ舞台をつくらなければならない、
とぼくは考えていた。それが俺の役割なのだ。

蜷川さんは、自分の演出の芝居が始まると遠くから隠れて観ていた。
失敗して座布団を投げつけられるのが怖いからだという。

蜷川さんの芝居への真剣さに、
ぼく自身のビジネスに向かう姿勢も近づきたいと願った。
さて、蜷川さんは今のぼくをどう評するだろうか。

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