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同質化は死を招く
2016年06月25日

昨日は長野の地元の75歳の女性小売業店主、
63歳の造園業主、樹木医と旅館主58歳とお話をした。

皆さん、地元で○○十年とご商売をしてきている。
しかも、そこそこ繁盛してきた。

その3人が共通して抱えている不安は、
自分の子ども達は、
「果たして生き残っていけるのか、食っていけるのか」
ということだ。
「自分の代で終わりにさせようと思う」という人もいる。

そんな中で、都市から農業生活に憧れてやってくる人々も
増えているらしい。
こちらは有機栽培などにチャレンジしているが、
隣組の会費も支払えないほど困窮しているという。

夜にあった友人の実家は地元ではそこそこ大きい専業農家
だったが、親父さんが亡くなって今は全て農地をを代行農業の
会社に預けているという。
結果的には親父さんの代で農家は廃業だ。
彼も「農業だけでは食っていけない」と言う。

わたしが育ったころは小学校のクラス半分は農家だった。
そして、豊かではなかったかもしれないが、
家を新築にしたり、多くの人が幸せに暮らせていた。

街に出れば、首都圏と同じFCチェーンがずらりと並ぶ。
飲食、洋服、カメラ・・・・一瞬ここは何処だろうと考えるほどに
ロードサイドの風景は似ている。

この風景をみて、「町は豊かになった」という人は多分多い。
しかし、それは違う。
地元の経済サイクルだけで回っていた経済が、
多ければ70%はFC本部や製造地への還流する。
地元のお金は実はどんどん逃げていく。
これが首都と地方の格差を拡げる原因だ。
こうなるまでには、地元の人達は自分達の大事ものを、
短期的なお金と引き換えに随分と簡単に手放してきた。
残念ながら、そのことには気づかない。

この日本の田舎で起きていることが、
今は世界規模で展開されている。それがグローバル経済だ。
富は中心に吸い込まれる。

イギリスのEU離脱は大きく騒がれ、多くの論調は離脱はマイナス
に向くだろうということだが、イギリスの人々が本当に自分達の
暮らしをどう営むのかを真剣に考えて団結できれば、そう悪い結果
にはならないように思う。

人は大きなものに知らず、知らずに飲み込まれていく。
われわれは大きいものへの憧れをどこかに持っているのだ。
しかし、人間も、町も県も国も同質化が進むことは実は危険なことだ。
リスクヘッジという視点やマーケティングの差別化、ポジショニングと
いう視点からみれば自殺行為だ。

同じほうが楽、独自に生きるというのは結構大変なことなだ。

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