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均整3理念は愛
2016年01月08日

アメリカにサウスウエスト航空という会社がある。
非常に有名なので1度ぐらいは、
その名を耳にしたことがるかもしれない。

有名な理由は従業員を大切にするからだ。
「顧客満足は社員満足から」という発想で、
実践を協力に推し進める。

当然、採用試験は厳しく集団面接には
顧客も立ち会う。
採用されても、1年間の試用期間があり、
職場の同僚の観察評価にさらされる。
その他にも人事の心理テストや追跡調査など
が行われる。

しかし、見事採用されれば大きな裁量権が
与えられる。
また、自宅には毎月のようにビデオメッセージや
ニュースレターが会社から送られ、
会社で何が起きているか綿密に知らされる。
そして、機会ある毎に模範的な社員は表彰され、
褒め称えられる。

会社のミッションは
「温かい心と、親しみと、一人一人のプライドと、
サウスウエスト精神を込めて、
最高水準の顧客サービスを実現すること」
企業理念は「愛」だ。

さて、ここまで読むと、どうしても
「すべては社員満足からだ。
そこに投資すれば、上手くいく」
と思い込んでしまう人もいるだろう。

しかし、それだけではサウスウエストの
成功は成り立っていない。

まず、立地はユナイテッドやデルタとは
競合しない。
大手の航空会社の長距離ドル箱路線には
参入せず、短距離の地方都市間を高頻度で結ぶ。
顧客は、以前は飛行機に乗らなかった普通の人に
「日常の足」を提供するビジネスに徹する。

そして、構えは垂直統合を徹底し、
普通ならアウトソースするチケット販売も内製化し、
飛行機内の清掃や荷物の積み下ろしまで全員が
協力して行う。
飛行機の機種もボーイング737一機種に絞り込み、
保守j管理をやり易くしている。
また、空港も日本でいう羽田などは避け茨城空港を
使用している。

この戦略を成功させる鍵は、バス並みの運行頻度と
運賃だ。
そこで登場するのが、機体回転率というキーワード、
飛行機は空を飛んでいる時間しか、顧客サービスに
貢献しないし、稼がない。
したがって、機体が地上で過ごす時間を最小限にする
ことが、オペレーション上の最優先課題となる。

これを実現するにはマニュアルやシステムでは
達成が不可能だ。
いつ、どこで、どんな撹乱要因が障害として
持ち上がるか、可能性は無限にあり、事前に予想が
つかないからだ。
障害が発生したら、それぞれの現場で即座に対処する
しかない。
そこで登場するのが、自分の判断で動ける、
意欲高き従業員というわけだ。

ここに問題があると、戦略は絵に描いた餅に終わる。
そこに投資する価値が値千金になるのは、
サウスウエスト航空の戦略が従業員の働きに
ボトルネックが寄せるかだ。

このような全体のパッケージングがあることが、
「均整」である。

ここまで見てくると、
企業戦略を表から見える範囲だけで成り立っていると
考えているのは大きな間違いであることがわかるだろう。

戦略はたて、よこ、奥行きの全ての点について必要だ。

参考図書
~三品和弘~『経営戦略を問い直す』

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