あらゆる子どもは信頼に値する。
あらゆる子どもは信頼に値すると知っているのは、
他でもない、自分が信頼に値することを知っているからである。

他人を信頼しることと自分を信頼することは、同一の事柄である。
自分は真実を知っているというあの内的な感覚こそが、それである。
その感覚は誰にでもある。

ところがそれを、忘れた結果が、
「わかる人にはわかるし、わからない人にはわからない」
という人の世の中に姿になるだけであって、
忘れなければ、誰にでも「わかる」。

『あたりまえなことばかり』
～池田晶子～

そう。私たちは生まれ育ち、
教えられていく過程のどの時点で、
それを忘れるのであろうか。
自分は真実を知っているというあの内的な感覚のことだ。

おそらく、私たちは外界に適合するための教育しかされて
いないからだろう。
やがて、内界を忘れ、内界の感じ方を忘れてしまうのだ。

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