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普通の仕事のウソ
2016年03月03日

ダニエル・ゴールマンのベストセラー
『EQ こころの知能指数』の中のエピソード。

ニューヨークの蒸し暑い夏の午後。
ゴールマンはマジソン街でバスに乗るや
いなやギョッとした。

「やあ、ご機嫌はいかが?」と言って
陽気な40代の運転手が彼を歓迎したからだ。

マジソン街をゆっくり走りながら、
運転手は客が乗るたびに挨拶を繰り返した。

蒸し暑い八月の空気の中、
運転手の挨拶に気づいたの人はほんのわずか。

しかしゆっくりと、ゴールマンが呼ぶところの
「魔法の変化」は、車内を満たしていった。

やがて、運転手はツアーガイドよろしく話し始めた。
あるショップがやっている洒落たセールについて、
美術館での素晴らしい展示について、など。

ほどなく車中空気は運転手によって変わった。
乗客の気分は彼の態度によって変えられ、
皆が微笑ながらバスを降りていった。

比較的近い未来に、仕事の価値を金銭のみで
評価されることはなくなるだろうと言われている。

人間は、受けた体験の心地よさなどを何らかの
形で価値としてストックできるようになるという。

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